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京極夏彦『妖怪大談義』レヴュ

2010年10月05日 22:25

各界の……というか妖怪分野の著名人とナツピコたんの対談集。水木しげる御大とか獏たんとか、大物といやらしさを感じさせず仲良くできる子なので色々と安泰そうですね。もちろん確かな才能があって自力で今の地位を確立しているんだけど、後ろ盾もあるともちろんいいよねっていう。

はっきりいって妖怪の研究とか、よほどの第一人者でないと一文の得にもならない分野なので、みんな本当に好きでやっているんだなぁと感じました。
それもオカルト的な、「河童はほんとうに居るんだ!」っていうノリではなくて、「もちろん居ないんだけど言い伝えをまとめたり、妖怪が生まれる背景を考えるの楽しいよね!愛しいキャラクタ!萌え!」という感じでキャッキャとした対談なので(用語とかは小難しいこと言ってるんですが)微笑ましく面白い本です。
まぁ、一般人は妖怪っていったらゲゲゲの鬼太郎くらいしか知らないんだし、対談で当然読んでる前提で語られる古典妖怪作品とか知ってるわけないので「だよねー」って相槌打ちながら読むことはできないんですが「お前らほんとに妖怪好きなんだな^^かわいいな^^」って感じで読むのには楽しいです。

妖怪通のあいだでは『昔の人だって本気で妖怪なんか信じているわけではなくて、一種のキャラとして面白がっていたんだ』っていうのが常識なんですね。
前に古事記だかなんだかの授業で教授が「こんな歌に出てくるおまじないや迷信なんかはね、当時の人だって信じてやしなかったんだ」って言ってたのを思い出した。
現代の歌詞に、流れ星にお祈りするよー君と幸せに暮らせますようにー♪ってのがあったとして、1000年後のひとがそれを見て「昔の人は流れ星で願いがかなうなんて信じてたんだなぁ^^;」と思われても困るよっていうのと同じなのか。妖怪とサンタさんは大差ないのですね。(煙突から入って物を置いて去る赤い爺さん……とだけ聞くと普通に妖怪)

445は子供のころ読んだ妖怪の本とかやっぱり覚えているし、アトラスのゲームに出てくる妖怪や悪魔なんかで身近に感じたりするわけです。いろいろと形を変え、現代に残っているのですね妖怪。昔ナツピコたんの『鉄鼠の檻』を読んで、ペルソナ1序盤ボスのメカ鼠・テッソ「ウヂューッ!」の元ネタはこれだったのか!という驚いたりしたよ。ライドウ2のオンモラキたんは超かわゆいのだけど、『陰摩羅鬼の瑕』で詳しくオンモラキとはなんぞやってのを読むと、実は怖い子なのですねーと見直したりもする。他にも知ってる村が陰陽道の本場(?)だったりして勉強になった。い、イヌガミたんは知ってたけど、シキオウジも近所の子なのか……!こんどお祭りいってみようかな。フィールドワークが大切らしいですよ!

それにしても架空の存在も、どういう時代背景で生まれたのかとか、文学に与えた影響とか、そういうのと絡めれば立派な学問になるのですね。445ももうちょっと熱意があれば801の系統とか調べてみたいのですが(まぁそういうヤオイズムについての論文とか本ってすでにたくさん出ているけど)フィールドワークってなにをやるんだろうか。同人黎明期の作家さんに話を聞いたり新宿二丁目に出かけてウロウロしたり、そんな感じですかね。
腐がどうして同性愛に萌えを感じるのかを心理学で謎解きとかもたくさんあるけど、微妙にズレてたりするし、だいいち50のオッサンとかに腐のなんたるかを完全に理解しろといっても無理なはなしです。極論だけど腐の数だけヲタになった切っ掛けも、萌えの理由もあるのだしね。

30年前には妖怪の話なんてすると白い目で見られていたけど今はブームとのこと。『オタク』も15年くらい前にはそんなだったけど、いまは市民権を得ていますし、あと10年もすると容認されきってて、今でいう『萌え』『メイド』『ツンデレ』みたいに、『ヤンチャ受け』『微スカ』『リョナ』とか言ってフツーに通じる世の中になるのでしょうか。なるといいけどそんな日本ておわってるよね。うふふ。なるならなれ。どうにでも^^(あるいみ京極堂的な姿勢)

京極夏彦『百怪図譜』レヴュ

2010年10月05日 22:10

妖怪大スキ♪なつぴこタンの妖怪画集。誰かの版画に解説を入れたのかと思いきや、なんと 自 分 で 描 い て た 。 「ちょ、うめぇww」言わざるをえない。
文も高尚にアホっぽくてステキだ。なんか妖怪って「意味ねぇー」ってものが多いじゃない。あずきを洗うよーとか、枕をずらすよーとか。そういう妖怪たちに無理矢理意味を添付しないで、イミフはイミフのまま放置してある、よく言えば“ありのままの妖怪を愛する”雰囲気が良いです。
全般的に不気味かつ微笑ましいんだけど、例を出すと『山颪 → 大根を持ったおろし金の妖怪だ。ヤマアラシの真似をしてトゲトゲしてみているが、おろし金がヤマアラシの実物を知っているわけもないからぜんぜん真似れてないし、意味も別にない』とかそんな突き放しかた。ひ、ひどい。小説のタイトルになった、うぶめ・てっそ・おんもらき・きょーこつ(変換めんどくさい)などもいます。猫マタかわゆいのう。

前書きに、『版画はみんなとの共同作業!原画・彫り師・刷り師、ついでに編集さん、大好きなみんなとのコラボだよ!見てみて!いいでしょ!*^^*(意訳)』というようなことを書いてあり、なつぴこ可愛いです^^とおもった。

後書きのほうはなつぴこに版画製作をすすめたオッサン(版画のえらいひと?)が書いており、『彼とはデヴュー直前に会った。これはモノになるぞと思い、手垢のつかぬ“ウブモノ”のあいだにツバつけておいたので、売れっ子作家になった今でも僕のほうが上なのだ。うらやましいだろ!バーヤバーヤ!最近は作家としての格があがってきた夏彦クン。ますますおいしいです(^q^)』(意訳)みたいな事を書いてた。(ほんとにかいてたんだってば!)
なんでもなつぴこ同意のもとに契約を結んでいて、生涯不変の上下関係であるとか。「べっ、別にだましたわけじゃないヨ!?合意だヨ!?『後悔しないね?』ってちゃんと確認とったもの!」という言い訳を読んでいると、オッサンがデヴュ前ピチピチ文学青年の尻でも掘ったのかと心配になりますが、口約束しただけみたいね。でもその契約は売れっ子祈願も兼ねてるんだって。いわゆる呪(しゅ)をかけたような状態なんでしょうか。よく分からんが萌えます。これからも仲良くしてってください^^

京極夏彦『覘き小平次』を読んだよ

2010年10月05日 22:02

直木賞をもらっているんだったかな。タイトルから出歯亀というか窃視症の人のおはなしかと思っていたのですが、いい感じに複雑な人間模様、色んな事情をかかえた人物があらわれて、後半にその伏線がピターっとはまっていくナツピコたんお得意の展開。怪談仕立ての面もあっておもしろかったです。

変わったストーリーではあるんだけど、ナツピコたんの本の中ではやや薄味?とりわけ傑作とは思わなかった。でも本の厚み(文章量)も普通で、登場人物もヲタヲタしくなく、うまくまとまっているし、なるほど受賞しても変じゃないなと思いました。(おそろしく上から目線でごめんよ)
なんというか、この本が良かったから授与!というより、ナツピコたんに賞をあげたいので、とりあえず小平次あたりにあげておこうかという感じがしたのね。『厭な本』のようなキワモノにはあげにくいだろうからな!

(あ、ググたら山本周五郎賞でした。直木賞は百物語のほうなんだー。よんでみます^^)

『ダヴィンチ・コード@ヴィジュアル愛蔵版』を読んだよ

2010年10月05日 21:43

姉妹作の『天使と悪魔』がおもろかったので読んでみたよ。写真のたくさん載ってるやつです。せっかく実在の建物や絵画・彫刻をネタに話がすすむのだから、見ながら読みたいなーという読者の希望にこたえて写真たっぷりでまとめてくれていて親切。そのとなりに『ダヴィンチ・コードの嘘』みたいなタイトルで、便乗商売みたいな本がならんでいて面白かったです。

天使と悪魔でも思ったけど、こういう、ヴァチカンの司教が惨殺されたり、「キリストとか神の子じゃなくて人間なのに美化してるだけじゃねーの」みたいなことを書いている小説なのにですね、けっこう奥まで取材させてくれるヴァチカンすごい太っ腹だね!??!?と。

そして445は「神も魂もあったらいいけど信じてないけどやっぱあるとロマン、でもry」みたいな典型的なあいまい無神論日本人なのですが、教会とか好きでね!あの天井とか建物のすてきさは理屈を超えたところにあると思う。お寺ももちろん。城も好きだ。非日常でゴージャスで途方もないナニカというのは
いわゆる『宇宙ヤバイ』動画などの感動も、こういうのと同列な感じがするので、やっぱり神と科学は相性悪いようでいて、限りなく近い気がします。磁石のSとNのよーに、はじくけど、根本のとこは融合してる。おもしろいのです。

日下部 羊『無痛』を読んだよ

2010年10月05日 21:42

おいしゃさんサスペンス。タイトルを見て「いたくないのかー^^」と思って手にとって、あらすじを読んだら楽しそうだったので。なんかこう、安楽死を巡って争う2人の医師!(萌え系)とかを期待して読んだんだけど、まったくそんなことはなかったぜ。そして無痛どころかグロ寄りですありがとうございました。

白せんせいと灰せんせいがでてきて、ふたりとも観察眼がするどく、患者さんをジッと見ると『どこそこが悪いな』とか『ほっといても治る』とか『だめだこりゃ』とか分かってしまうタイプです。そのエスパーぶりを活かしてゴージャス病院をやっている白先生と、医者の治療に空しさを覚えボロ町医者に甘んじている灰せんせい。
個人的には重病になったら延命とかいいので痛くなくしてほしいお><という考えなので、どっちの先生も好きです。白先生はゴージャス病院とはいっても法外な値段じゃないのが親切。灰センセイも黄昏つつも患者本位でよさそう。某マンガの黒センセイ(いっぱい縫い目のあるあのひと)は超好きだけど、すぐ「三億円用意しろ」とかいいだすので一般人はかかれないですよねー。

そういえばこのあいだ大昔の医者ドラマ『振り返れば奴がいる』をお昼にやっているのを目撃しました。なつかしい!これは普通に医療系萌えドラマのはしりではないかと!(白い巨塔はリメイク前も萌え系だったのかしら??)445は部長×司馬?(カガタケシ×オダ)派でした。
あれのラストはトラウマというかポカーンというか、いまなお鮮明に刻み込まれております。登場人物が道をあるいているだけの無意味なシーンが流れるんですが、不意にドンと人がぶつかってきて、よく見たら刺されてる!みたいな。
近頃見た映画で、やはり登場人物が無意味に道を歩き始めたとき『この感じは刺されフラグ!刺されフラグ!!』とおもってたら、やっぱり刺されてトラウマを新たにした。み、道を歩いてはいけない…!(無茶をいわない)

というわけで、お医者さんにあまり人間性はもとめないけども、人情味たっぷりのヤブより、打算的なやり手がいいよというていどで、やっぱり人体実験わっふるわっふる!みたいなドクターはノーサンキューですということ。


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